CONCEPT
本作品群は、“ 開戦前夜” のフィクショナルイメージです。ある日を境に戦争というフラグが立つのではなく、霧が音もなく密度を増すように、時代が不穏の粒子で満ちていく。そうした有り様を、デジタル赤外線撮影という装置で描きました。
ヒトの眼は赤外線を感知できません。赤外線撮影とはいわば、「目に見えない世界」を切り取る行為です。しかし、赤外線だけで照らされた世界は、「見えないだけでそこに在る世界」です。見える世界と見えない世界。ここに多層化する世の中との、ある種の符合を見出せます。わたした
ちが識っている世界、知らされている世界、そして知らされない世界… … 。近年の不穏な気配を表現する手段として、「認識を超えてそこに在る世界」を写す、赤外線写真を選びました。写真展タイトルの「BLACK MORNING」は、明るい未来を思い描けない現代へのアイロニーであると同時に、世界恐慌の契機、Black Mondayとかけています。
INFORMATION
澤村徹写真展 BLACK MORNING
2009年12月1日~11日 ギャラリー・フォトス